維新史回廊|維新史回廊構想推進協議会

幕末維新史年表

西暦 和暦 長州藩関係 国内関係
事件等 事件等
1830 天保元 8 上関一帯に専売制反対一揆おこる。吉田松陰生まれる。    
1830 天保元       この年、水戸・薩摩藩、藩政改革に着手。
1831 天保2 7 天保大一揆おこり、全藩に及ぶ。(11月に至って鎮静)    
1831 天保2 10 村田清風、江戸当役用談役となる。    
1832 天保3 2~3 村田清風、改革綱領執筆、以後の天保改革の基本となる。    
1832 天保3   この年、藩の負債八万貫となる。支藩徳山領に一揆。    
1833 天保4 6 木戸孝允生まれる。    
1833 天保4   この年、長門に一揆。   この年、諸国大飢饉、百姓一揆激化。
1836 天保7     8 郡内騒動おこる。
1836 天保7   この年、風雨・洪水、被害甚大。   天保大飢饉。
1837 天保8     2 大塩平八郎の乱。
1837 天保8 3 大塩の乱の影響で一揆おこる。    
1837 天保8 4 毛利敬親、襲封。    
1838 天保9 8 村田清風、地江戸仕組掛となり、改革に着手。    
1838 天保9   この年、負債九万余貫となる。    
1839 天保10     5 蛮社の獄。
1839 天保10 8 高杉晋作生まれる。    
1840 天保11 5 村田清風、江戸当役用談役となる。    
1840 天保11 7 藩政改革について大会議、以後改革令相つぎ、本格化する。    
1840 天保11     8 清商、アヘン戦争を報ず。
1840 天保11 11 下関越荷方拡大。    
1840 天保11   この年、医学所(のち済生堂)を設置。    
1841 天保12 4 櫨専売制改革。    
1841 天保12     5 水野忠邦、天保改革に着手。
1841 天保12 9 伊藤博文生まれる。    
1841 天保12     10 渡辺崋山自殺。
1841 天保12 12 江戸桜田邸内に有備館設置。 12 株仲間解散はじまる。
1842 天保13 1 諸郡村ごとに「風土注進案」の録上を命ずる。    
1842 天保13     7 幕府、異国船打払令を緩和。
1842 天保13     8 幕府、海防を厳命。
1842 天保13 9 社寺堂庵石祠石仏などを検し、由緒なき淫祠(小祠小庵)を排除。    
1842 天保13   この年、玉木文之進、松下村塾を起す。    
1843 天保14 3 綿布口銭賦課再確認。    
1843 天保14 4 三十七ヵ年賦皆済仕法発令。羽賀台操練実施。    
1843 天保14     閏9 平田篤胤歿す。老中水野忠邦免官。阿部正弘、老中となる。
1843 天保14 10 商人頭取制実施。    
1844 弘化元 6 村田清風退陣、坪井九右衛門実権を握る。 6 水野忠邦老中再任。
1844 弘化元     8 オランダ国王幕府に開国をすすめる。
1844 弘化元 11 公内借捌発令。    
1845 弘化2     2 米船来る。老中水野忠邦罷免。
1845 弘化2     7 英船来る。
1845 弘化2 10 青木研蔵らを長崎へ派遣。    
1845 弘化2     12 学習院京都に設置。
1845 弘化2   この年、大阪に新負債を起す。    
1846 弘化3     5 仏船“琉球”に来る。
1846 弘化3     閏5 米使ビッドル来朝。
1846 弘化3 8 坪井派後退、改革による取締り再強化。 8 朝廷、海防勅諭を出す。
1847 弘化4 2 西洋書翻訳掛をおく。    
1847 弘化4 4 地方への勤功賞美方の規定を出す。    
1847 弘化4 9 浦靭負、当役となる。    
1847 弘化4 12 坪井九右衛門、禁錮。    
1848 嘉永元 6 海防部署を定める。    
1848 嘉永元 9 村田清風、明倫館再興用掛となる。    
1848 嘉永元       この年、佐久間象山洋式野戦砲をつくる。品川に砲台を築く。
1849 嘉永2 2 明倫館新築成る。    
1849 嘉永2 4 見島軍用方強化。    
1849 嘉永2     5 老中、奉行らに海防意見を徴す。
1849 嘉永2     12 薩摩藩、嘉永朋党事件おこる。
1850 嘉永3     2 島津斉彬襲封。
1850 嘉永3 4 藩要路交代、改革強化。    
1850 嘉永3 6 医学所済生堂を好生館(のち好生堂)と改称、新築。 6 肥前藩、大銃製造方設置。
1850 嘉永3 10 沿岸防備強化。 10 高野長英自殺。
1850 嘉永3     11 朝廷再び海防勅諭を幕府に下す。
1851 嘉永4     2 水野忠邦死去。
1851 嘉永4 11 周布政之助、椋梨藤太の添役となる。    
1852 嘉永5     6 露船下田に来る。
1852 嘉永5     8 オランダ商館長、幕府に開国を勧告。
1852 嘉永5   この年前後、村田清風、さかんに海防を論ず。    
1853 嘉永6 1 沿岸八区の防備部署を決める。    
1853 嘉永6 6 米艦渡来に伴い、大森へ出兵。 6 ペリー浦賀来航。
1853 嘉永6     7 露使プチャーチン、長崎に来る。
1853 嘉永6 9 椋梨藤太、政務役罷免、周布政之助がこれに代わる。 9 幕府、大船製造解禁。
1853 嘉永6   この年、洪水旱ばつ被害大。    
1854 安政元     1 ペリー再び来る。
1854 安政元 3 吉田松陰、米艦に乗組もうとして失敗。 3 日米和親条約締結。
1854 安政元 4 大阪に新負債を起す。    
1854 安政元 5 周布派改革を行い、公内借返還延期令その他を発令。    
1854 安政元     8 日英和親条約締結。
1854 安政元     12 日露和親条約締結。
1855 安政2 5 村田清風死去。    
1855 安政2 8 周布派に代わって、坪井・椋梨派が改革綱領を出す。    
1855 安政2 9 西洋学所開設。    
1855 安政2     10 江戸大地震。藤田東湖災死。
1855 安政2     12 日蘭和親条約締結。
1855 安政2   この年、引島・六連で農兵取立。    
1856 安政3     2 蕃書取調所設置。
1856 安政3 5 産物取立政策開始。    
1856 安政3     7 ハリス下田に来る。
1856 安政3 12 梅田雲浜、萩に来る。洋式軍艦丙辰丸が萩小畑で建造される。    
1857 安政4 5 坪井九右衛門、上方交易に乗り出す。 5 ハリスと下田条約を結ぶ。
1857 安政4     8 薩藩、集成館を命名。
1857 安政4     10 ハリス、将軍と会見。
1857 安政4 11 吉田松陰、松下村塾を主宰。    
1858 安政5     4 井伊直弼、大老となる。
1858 安政5 5 藩是三大綱決定。(天朝に忠節、幕府に信義、祖先に孝道)    
1858 安政5 6 藩政府員交代、坪井派に代わって周布派登場。 6 日米通商条約調印。
1858 安政5 8 藩政改革綱領決定。諸村諸商人免札仕法を出す。 8 この前後コレラ流行。
1858 安政5     9 安政の大獄はじまる。
1858 安政5 10 坪井派の産物取立政策を修正。    
1858 安政5 12 松陰投獄。    
1858 安政5       この年いわゆる五カ国条約調印。
1859 安政6 2 薩長交易成立。    
1859 安政6     5 英国総領事(のち公使)オールコック来る。
1859 安政6     6 神奈川・長崎・函館をひらき、貿易開始。
1859 安政6 8 西洋学所を博習堂と改称、拡張。    
1859 安政6 10 吉田松陰処刑。    
1860 万延元     1 安藤信正、老中となる。幕使節新見正興ら渡米。
1860 万延元 2 兵制を三兵(歩・騎・砲)の洋式に改定。    
1860 万延元     3 桜田門外の変。
1860 万延元     閏3 五品江戸回送令。
1860 万延元 7 木戸孝允らが水戸藩士と「成破の盟」を結ぶ。    
1860 万延元     12 ヒュースケン暗殺さる。
1860 万延元   この年、諸宰判に郷学校を建て、農兵訓練を発令。    
1861 文久元     2 露艦対馬占領事件おこる。
1861 文久元 3 航海遠略策の藩是決定。 3 幕府、開港開市延期交渉のため、使節を欧州へ派遣。
1861 文久元 5 長井雅楽、航海遠略策を朝廷に説き、ついで8月、久世・安藤政権の同意をうる。 5 水戸浪士、東禅寺に英人を襲う。
1862 文久2     1 坂下門の変。
1862 文久2     2 和宮、将軍家茂と結婚。
1862 文久2 3 長井雅楽、改めて航海遠略策を朝廷に建白。五月却下。    
1862 文久2 4 高杉晋作、長崎より上海に着く。7月帰着。 4 寺田屋騒動。
1862 文久2 7 藩是三大綱転換、「破約攘夷」と決す。    
1862 文久2     8 生麦事件。
1862 文久2     9 西周・榎本武揚らオランダに留学出発。
1862 文久2 12 高杉晋作ら英公使館を襲う。    
1863 文久3 2 長井雅楽断罪。    
1863 文久3 3 藩機構改革実施。 3 将軍入京。
1863 文久3 4 藩主、萩より山口へ移る。7月山口移鎮告諭。    
1863 文久3 5 馬関で外国船砲撃、相つぐ報復攻撃を受ける。井上馨・伊藤博文ら横浜より英国へ出航。    
1863 文久3 6 高杉晋作藩命により奇兵隊を編成。山口政事堂設置。菊ヶ浜土塁着工。    
1863 文久3 7 夷警あるときは、民衆の帯刀を許す。 7 薩英戦争。
1863 文久3 8 8・18の政変により長州尊攘派七卿とともに京都より追放。 8 天誅組の乱。8・18の政変。
1863 文久3     9 幕府、横浜の生糸貿易の制限を強める。
1863 文久3     10 生野の変。
1863 文久3     11 薩英講和成立。
1864 元治元     1 京都で参預会議開催、3月分裂。
1864 元治元     3 水戸、天狗党の乱。仏公使ロッシュ着任。
1864 元治元     6 池田屋騒動。
1864 元治元 7 禁門の変で久坂玄瑞・寺島忠三郎・来島又兵衛・入江九一ら戦死。長州藩追討の勅命出、幕府第一次征長令を発す。 7 禁門の変。
1864 元治元 8 四国連合艦隊下関攻撃、長州藩降伏。    
1864 元治元 9 下関問題取極書調印。周布政之助自刃。    
1864 元治元 10 奇兵隊解散令出る。    
1864 元治元 11 藩政府、禁門の変の責任者処分。 11 勝海舟、軍艦奉行を免ぜられる。
1864 元治元 12 高杉晋作、藩論を回復せんとして赤間関に挙兵、内戦となる。    
1864 元治元       この年、幕府の統制により輸出減少。
1865 慶応元 1 美祢郡大田・絵堂村の戦いおこる。    
1865 慶応元 2 内戦止み、高杉晋作ら藩政府の主導権を握る。    
1865 慶応元 3 「武備恭順」の藩是決定。軍制改革開始。    
1865 慶応元     4 幕府、第二次征長の軍をおこす。
1865 慶応元 閏5 椋梨藤太ら処刑。 閏5 英公使パークス着任。
1865 慶応元 8~9 木戸孝允・高杉晋作馬関で越荷方管掌。    
1865 慶応元 10 越荷方拡大。 10 条約勅許。
1865 慶応元       この年、貿易額伸長著し。
1866 慶応2 1 薩長同盟成る。    
1866 慶応2     2 土佐藩、開成館設立。
1866 慶応2 4 第二奇兵隊ら脱走、倉敷襲撃。    
1866 慶応2     5 改税約書調印。
1866 慶応2 6 幕長戦争開始。(大島口で開戦)    
1866 慶応2 7 石州口の幕府方浜田藩、城を焼いて逃げる。 7 将軍家茂死去、一橋慶喜、宗家相続。
1866 慶応2 8 長州軍小倉攻略、城主小笠原忠忱、みずから城を焼いて逃げる。    
1866 慶応2 8 征長停止の沙汰書。 8 幕府とクーレーとの間に借款契約成立。
1866 慶応2 9 幕吏勝海舟、芸州厳島に来て、長州藩士広沢真臣らと会見し、休戦を協約する。    
1866 慶応2 11 広沢真臣と五代友厚と「商社示談箇条書」を結ぶ。    
1866 慶応2     12 孝明天皇死去。
1866 慶応2       この年、米価暴騰、一揆・打ちこわし激化。
1867 慶応3     1 明治天皇即位。
1867 慶応3 4 高杉晋作病死。    
1867 慶応3     5 四候会議。
1867 慶応3     8 「ええじゃないか」おこる。
1867 慶応3 9 薩長および長芸間に倒幕出兵協定成る。    
1867 慶応3 10 長州藩父子の罪を許し、討幕の密勅を下す。 10 大政奉還。
1867 慶応3 11 討幕出兵軍、海路進発。    
1867 慶応3     12 兵庫開港勅許。王政復古大号令。
1868 明治元 1 鳥羽・伏見で幕府軍と戦い、以後戊辰戦争に出兵。 1 戊辰戦争開始。新政府、開国和親を布告。
1868 明治元     3 五箇条誓文。
1868 明治元     4 江戸開城。
1868 明治元     閏4 政体書発布。
1868 明治元     9 一世一元の制を定める。
1868 明治元 11 藩治職制による改革着手。    
1869 明治2 1 薩土肥の藩主とともに版籍奉還を建白。    
1869 明治2     6 版籍奉還。
1869 明治2     7 官制の改革。
1869 明治2 11 常備軍四コ大隊の編成令を出す。諸隊反乱おこる。    
1869 明治2 12 百姓一揆あいついでおこる。    
1869 明治2       この年、全国的に一揆昂揚。
1870 明治3     1 大教宣布。
1870 明治3 2 反乱諸隊指導者処刑。    
1870 明治3 4 議事館を藩庁と称し、以後常備軍編成・禄制改革すすむ。    
1870 明治3     9 平民に苗字を許す。
1871 明治4 1 広沢真臣暗殺。    
1871 明治4 3 毛利敬親没す。    
1871 明治4 5 財政改革綱領決定。    
1871 明治4 7 山口県・岩国県・豊浦県・清末県をおく。 7 廃藩置県。
1871 明治4 11 4県を改めて山口県とする。 11 全国3府72県となる。

(出典)田中彰著「幕末の長州」(中央公論新社刊)